大瀧順子もの語り

~夢の実現を信じるANG事務局~
ANG事務局・大瀧順子(おおたき じゅんこ)が語る、伝説の講演会

病気を経て医療の世界へ

ANGの事務局になる前は、医療施設で働いていました。タイ古式マッサージの資格を取得し、心療内科や企業の福地厚生施設でヒーリングマッサージをしていたんです。癒しの仕事に入ったきっかけは、自分自身の病気体験でした。三十代前半で発病し、完治するまで十年近くかかりました。

ある時期から背中にポツポツと発疹が出始めました。精神的なストレスも重なり、元々弱かった肌に症状が表れたのだと思います。薬を塗っても悪化するばかりで、皮膚科で重度のアトピーと診断され、入院にまで至りました。じんましんを日に何度も繰り返し、立つことすらできず、家族や友人に対して「ありがとう」と「ごめんね」しか言葉が出ない時期が続きました。パートもしていましたが、子どもの学校行事への参加や、家事もできないことが辛かったですね。

阿蘇の乙姫さま温泉で送った療養生活が、私の転機になりました。いろいろな人に支えられ、たくさんのご縁をいただきました。ある日、上半身一面の帯状疱疹が重なり、あまりの激痛で気が遠くなったとき、不思議な体験をしました。白い霧の向こうから一本の糸が伸びてきて、それを必死でつかみながら「この糸が切れなかったら、自分にはこの世でやらなくてはいけないことがあるのだろう」と思いました。「“コレ”というものに出会ったら、私のお役目としてやらせていただきます」と約束して、そのまま眠りに入りました。夢だと言われるかもしれませんが、私にとっては真実の出来事なんです。そして、そのときに心の底からお願いしたことがあります。

「身体がよくなって、元気になって、私自身が、みんなが、心穏やかに笑って過ごせますように。恩返しができますように…」

ランチェスター勉強会に参加

身体が回復してからは、手に職をつけて医療施設で働き始めました。仕事を通してお客様と関わり、笑顔になってもらえることがうれしかったですね。自分が辛かったときにもらった「だいじょうぶ」の笑顔に、「ありがとう」の想いをのせて、自分以外の誰かに届けたい。そんな気持ちで仕事をしていました。

ANGの準備委員会が始まった頃、仲のよい友人がANGメンバーの中村さん(プルデンシャル生命保険)を紹介してくれました。友人とは一緒にお茶を飲みながら、いつも夢を語り合っていました。私の夢を中村さんに伝えたところ、興味を持ってくれたそうです。

「一人ひとりが生きがいを持って、心穏やかに笑って過ごせる何かがあるといい」
「同じ根を持つ人たちと一つの核をつくり、楽しく仕事をしていきたい」
「人の縁を大切にしてお互いに成長しながら、エネルギーをたくさんの人に届けたい」
「病院や治療という方法以外で、普通の会話の中で元気になれるような場があればいい」

そんな夢を伝えると、中村さんは「大瀧さんがしようとしていることは事業だよ。頭の整理をしたほうがよい」とアドバイスしてくれました。自分では「事業」という認識はなかったのですが、「きっと今後の自分の人生に必要なことなんだろうな」と思って、中村さんが勧めてくれた勉強会に参加しました。それが、ANG準備委員会が開催した「ランチェスター勉強会独立開業編」の第一回目だったんです。

ご縁を信じてANG事務局に

勉強会の内容は、とても新鮮でした。会社の仕組みやお金の流れ、経営者の立場でものを考えることができてよかったです。接客業の現場にいて、自分はお客様だけしか見ていなかったことに気づきました。「夢を見る」ばかりで「順序立てて考える」ことがなかったので、勉強会は頭の整理になりました。

数カ月後に、ANGメンバーと勉強会参加者の忘年会がありました。政枝顧問(故ANG理事)の隣に座り、いろいろな話を聞いて感動しました。弱者を助けようという夢を持った人が、ビジネスの世界にもいることを知って感動し、とてもうれしかったです。ちょうど勤めていた会社を辞めて次の道を模索していた時期でもあり、価値観を共有できる人と出会って元気をもらいました。

年明けに大城社長から連絡があり、「ANGの事務局に来ませんか?」というお話をいただきました。後で話を聞くと、政枝さんと中村さんが縁を繋いでくださったそうです。ANGが何かよくわからないまま、平成二十年一月の定例会に参加し、設立は二カ月後だと知りました。新しい仕事に対する不安はありましたが、ご縁を信じてチャレンジしてみようと思いました。でも今考えると、一番のチャレンジャーは、実務を離れて二十数年、事務局未経験の私を採用してくださった大城社長ですよね(笑)。

熱海研修で福島先生と出会う

最初のころは仕事の段取りも事務のやり方もわからず、失敗ばかりしていました。覚えることが多く、設立セレモニーやイベントも続き、毎日めまぐるしく過ぎていきました。

平成二十年五月「究極のリーダー研修」に参加し、憧れの福島正伸先生に会いました。熱海で二泊三日、全国からリーダーが百人集まる研修会です。講師陣の中に福島先生の名前もあり、著書が大好きだったので直接話を聞いてみたいと思いました。大城社長が連れて行ってくれて、本当に感謝しています。

研修中は席替えが頻繁に行われ、福島先生の講演は運よく一番前の席で聞くことができました。「難病は神様からのプレゼント」というエピソードを語った「強い子」が、自分の体験とリンクして号泣してしまいました。感動して心が熱くなり、「福島先生の話を北九州のみんなと一緒に聞きたい!」と思いました。たくさんの人が福島先生の話を聞けば、「目の前の人が笑顔になれる、心穏やかになれる」という自分の夢が、一番手っ取り早く実現できると思ったんです。

講演の後、福島先生と名刺交換をして本にサインをもらいました。「北九州に来ていただけますか?」と尋ねたら「いいですよ」と言ってくれたので、本に「北九州に行きます」とサインを書いてもらいました。ものすごく、うれしかったです!

ところが、帰りの新幹線の中で、なんと!福島先生の名刺だけがない!!ことに気がつきました。一緒に研修を受けた参加者にコピーの送付をお願いしたら、「ちょうど福島先生と会うから、世界に一つしかない名刺をもらってあげるよ」とメールが来て、後日、裏面に直筆で「大瀧順子さんへ 夢」と書かれた名刺が送られてきました。「感動」のひと言でした。

夢の実現に踏み出す

福島先生の名刺が届いたので、大喜びでお礼のメールをしました。そこから先生とのメールのやりとりが始まったんです。メールを通して先生からいただいた言葉は、私の宝物です。

「本気で人を愛したいと思ったときから、誰でも究極のメンターになることができます。大切なのは何よりも気持ちだと思います。一緒に日本人に夢と勇気を与えることができたらいいですね。北九州でお会いできる日を楽しみにしています」
「夢はきれいごとでならなければいけないと思います」
「大丈夫です。どんなときも僕が応援していますので、自分が信じたことを着々と実行してください」(福島先生のメールより抜粋。私の心の宝物です)

十一月に福島先生から連絡があり、平成二十一年四月に福岡へ来ることを知りました。北九州で講演会を開催するチャンスだと思って、ANG理事会に提案したのですが…。五千円で三百人集めなければ…というハードルの高さのため、なかなか意見がまとまりませんでした。土壇場で「私がリーダーをします」と手を挙げて、メンバーも賛成してくれて開催が決定しました。
みんなに迷惑をかけるのは嫌だったので、自腹覚悟でした。仲のよい友人から「赤字だったら半分出すよ」と言われ、夢を応援してくれる気持ちがうれしかったです。

三百人の集客

平成二十一年二月、二ヶ月後の講演会の集客に向けて動き出しました。やり方はわかりませんでしたが、やる気とやれる気だけはありました。福島先生の講演は、「一つの空間に一つの笑顔」をつくる自分の夢に繋がる。経営者だけでなく、教育者、医師、母親など、とにかくたくさんの人に聞いてほしいと思いました。

ANG関係、知人から案内を始め、六十六→七十七→八十八→九十九と、不思議なことにぞろ目で申込みが増えていきました。福島先生はマスコミには顔を出されていないため、九州で知名度は高くありません。自分たちは直接会っているから素晴らしさがわかるのですが、それを人に伝えるのは大変でした。

開催二週間前の申込みは百五十五人。三百人には遠い数字です。東京から来てくださる福島先生に、どうしても「先生来てくださってありがとうございます。立ち見が出ました!」とお礼が言いたくて、毎日夜中まで案内ファックスを送っていました。そんな状況でも、自分の中では「三百人いく!」と信じていましたね。メンバーのみんなに状況を聞いたり、とにかくできることを必死でやっていました。

その頃から、ANGだけでなくダイワライフのメンバーが、集客に動き出してくれたんです。みんなのスイッチが入って、最後の二週間で一気に数字が加速しました。前日で二百八十七人。三百人まであとわずかでした。

前日の夜、ラボで受付や資料の準備をしていたら、ダイワライフから一人、二人と集まってきて、準備を手伝ってくれました。徹夜覚悟でしたが、みんなのお陰で十二時に帰れました。感動して泣きたくなる気持ちを抑え、無我夢中で準備をしました。

講演会当日、ダイワライフの朝礼で一人ひと言スピーチがあり、みんなが手伝ってくれたことがうれしくて「ありがとうございます」を伝えていたら思わず泣いてしまいました。この瞬間は、福島先生と会えることよりも、ダイワライフのみんなへの感謝と感動でいっぱいでした。

朝礼後、九時過ぎにANG事務局に戻ると申込みのFAXがあり、参加申し込みが三百人を超えました!講演会に出発する直前、まさに奇跡の瞬間でした。感動して、大城代表をはじめ握手をして回ったのを覚えています。

夢が叶った日

小倉駅で福島先生と感動の再会。大城社長と秋山さんと一緒に福島先生を迎え、ランチをしました。「福島先生、すいません。今日の主役は自分は大瀧だと思っているんです」と大城社長。福島先生から「夢が叶ったね」と言われて、すごくうれしかったです。五千円のチケットで三百人を超える集客。しかも、北九州という地方で非営利団体がスポンサーなしで開催したことに、福島先生も感激してくださいました。

講演会の冒頭で開催の経緯を話すように言われたのですが、緊張して顔も手もこわばっていると…。「あなたの緊張はすべて僕がもらうから、安心して行ってらっしゃい」と福島先生に送り出され、三百人を前に必死の思いでマイクを持って挨拶しました。熱海の研修で福島先生と出会い、北九州のみんなにもぜひ話を聞いてほしいと思ったことを伝えました。

福島先生の演題は「夢しか実現しない」。誰もが本来持っている夢と勇気が呼び覚まされるような、一人ひとりの心に深く響くお話でした。

講演が終わると、「よかったー」「家族を連れてきたい」「社員も連れてきたい」「もう一回あったらぜひ行きたい」など、たくさんの声をいただきました。みんなが清々しい表情で会場から出てくる姿を見て、開催してよかったなぁと思いました。「順子がずっと言っていたことが、少しわかったような気がする」と友人達。大切な友人や家族にも、講演会を通して自分の想いを伝えることができました。

当日は残務を終えてから、大城社長とブーティーズで祝杯を挙げました。秋山さんも一緒に「不思議だねー。本当にやっちゃったねー」と言いながら、熱海研修からの出来事を振り返りました。「ANGの想いをカタチにしていくのが、今後の大瀧さんの仕事なのかもしれない」と大城社長から言われ、それが自分の夢を実現することに繋がっていくのかもしれないと思いました。

勉強会の現場から

一つひとつ経験しながら仕事を覚え、たくさんの方に支えられ、事務局として成長させていただいていると思っています。ランチェスター勉強会の進行役になってからは、受講される方々と一緒に自分も学び、より深く経営を理解できるように努力しています。最初は不安でしたが、ランチェスター経営の本部の稲田先生から「進行役に徹すればいい。経営者の話を聞いてあげるだけでも十分OK」と言われて腑に落ちました。経営者の話を聞くときに、カウンセリングの経験はすごく役立っています。勉強会はコースも増え、二年で百名の受講がありました。

現在はダイワライフ社長室の仕事も兼務しているので、ランチェスター経営の実践者である大城社長から学ぶことも多いです。それを勉強会で伝えることもできるし、相乗効果がありますね。参加者には、真似できる方法をたくさん持って帰ってもらいたいです。

私の夢は「目の前の人が笑ってくれること」。そうすると、私自身も笑顔でいられるんです。みんなが生きがいを持って、心穏やかに、笑顔で過ごせる「空間」「場」をつくるために、私にできることを精一杯やっていきたいと思います。私の願いとANGの想いはリンクしているから、“今”がとても大好きです。

以上